島崎幸彦 TAXニュース

神楽坂税理士法人 代表 島崎幸彦のブログ「神楽人のブログ」

採用情報

神楽坂税理士法人税務FAQ > 今からできる相続税対策

税務FAQ

税務FAQ一覧へ戻る

Q. 「今からできる相続税対策には何がありますか。」

A. 相続が起きる前に財産を贈与しておくのも立派な相続税対策です。

ある相談者(Aさん)からのご相談です。

Aさんのお母様がお亡くなりになりました(すでにお父様は数年前に他界されています)。無事相続税の申告も終わり、あらためて相続税の負担の大きさを実感したAさん。まだしばらく先のこととはいえ、自分に相続がおこったら妻や子供たちも同じ思いをすると考えると思いやられる・・・。そう考えたAさんから、今からできる相続税対策を相談されました。

相続税対策はなにも相続が起こったときの対策だけではありません。相続が起きる前に財産を贈与しておくのも立派な相続税対策です。

今回は長年連れ添った妻と住み慣れた自宅について考えます。

結婚20年を迎えた夫婦の間で贈与をした場合、2,000万円までは贈与税がかからないという特例があります。
Aさんが奥様と住んでいる自宅は土地、建物ともにAさんが購入したものです(ともにAさん名義)。
Aさんが亡くなった後も、奥様はすっと住み続けたいと思っています。

さっそくAさんの自宅(土地と建物)の評価額を計算したところ、土地は8,000万円、建物は1,000万円でした。
Aさんと相談し、土地の4分の1(2,000万円相当)を奥様に贈与することにしました。
贈与したときにこの特例を使えば贈与税がかかりません。さらに土地の評価額は将来上がる可能性が高い資産です。贈与せずに相続がおこったときにこの土地の評価額を計算したら8,000万円より高くなっているかもしれません。当然相続税も高くなります。
その意味でも相続税対策になりますね。

節税メリットのある制度ですが、この制度を使うには確定申告しなければならない、この制度が使えるのは生涯で1回きりなど、いくつかの注意点があります。

贈与したことを明らかにするために、持分登記が必要になります。
最後に、贈与実行の登記後、登録免許税や不動産取得税は課税されますので要注意です。